Je suis en train de chercher un logement à Paris.

パリの部屋探し


展覧会のあと、そろそろ真面目に部屋探しを始めた。
聞いていた通り、聞いていた以上に難しい作業だった。


アンジェに住んでいるので、見学も日にちをコンパクトにまとめてする必要があった。
二日で七つのストゥディオをまわった。


良くない業者にあたってしまい、あれだけ気をつけていたのにお金をだまし取られた。(内容はややこしいから省略)
あまりよくない大家さんにあたってしまい、外国人で立場の不安定な私に違法な貸し方を押し付けられそうになった。


たった一週間だけれども、つらくて悲しくて、誠極まりなく疲れた。
この部屋探しでパリの闇を見た気がした。
もう何が正しくて、自分はどうしたらいいか見分けがつかなくなった。


信頼もいくらか失ったし、自信も失ったし、久しぶりにこれには参った。
パリで一人で歩きながらはじめて涙が止まらないという事態。
路上で、公園で、カフェで、ぼろぼろと泣いちゃった。
はじめてカフェの人に「デザート、カフェにしますか、それに大丈夫ですか?」と聞かれてしまった。


しかし私はフランスびいきな人間なので、フランスを嫌いになる事はできない、絶対にできない。
やっぱりこの国が好きだ、本当に好き。それにたくさんのフランス人が私を守ってくれる。
それに、周りから聴こえてくるフランス語を耳にしていると、自然とうきうきしてしまう。


冷静になればパリの闇も美しくはないが、どこか人間じみていておもしろい。もちろん共感はしないが。
それに、この部屋探しのおかげてフランス語での電話が怖くなくなってきた。
言葉の脳と発声の関係がさらに近づいた、そうだいい風にとらえよう。


この絶望的な状況で一つピストが見えてきた、ある陶芸家からの電話。
たぶんもう少しで部屋が見つかったって言えるはず。たぶん、絶対、絶対、たぶん。


はやく安心したい。家ってこんなにも生活の基礎だったんだなって改めて感じた。
今の環境が良すぎたようだ、もっと打たれなあかんなあ、まったくだ。



そう、秋からの学校のすぐそばに「ビュット・ショーモン公園」というのがあります。
最近になってはじめて知って、久しぶりに公園にひと目惚れ。

やっぱり自然はいいです。