Le billet pour aller à Paris.

パリへの切符


また街のアトリエに行ってきた。

学校をみつけるのと、ギャラリーをまわるのと、それを話すためのランデブー。

40年以上もパリに住んで、それにパリ生まれの彼女が、この街に移り住んでくれて本当にわたしはうれしい。

彼女は陶芸家で先生だけれどお友達みたいなひと、旦那さんもすてきな人だった。

彼の手の感じから陶芸の人かと思ったら、庭の人だそう。でも土をさわっている人の手だった。

その彼女とパリに行く約束をした、フランス人とパリを歩くのなんてはじめて。

どこに行くのかな、今からすごくわくわくする。


夕方の鏡のまえ

大切な人のがつくった大切なピアスがないことに気づいた。

もうなにも考えないでコート着て外に出た。

空はもう夕方で、暗くなろうかどうしようかみたいな時間。

でも、不思議とみつかることがわかっているみたいに慌てなかった。

30分歩いて学校について、闇になる空の折り返し地点でひとつみつけた。

それは駐車場に落ちていて、本当ならもっとはしゃいでもいいのに、

みつかるってわかってたみたいに驚かなかった。

1時間探し歩いてまっくらで家に帰った。

家にあるってわかってるみたいに、着ていたセーターからもうひとつが床に落ちた。

でも本当は本当の本当にうれしかった。


大切なのもはそう簡単になくなったりしないなと思った。