Mon réel.


ほんの一週間程前まで日本の地を踏んでいたのに、
こちらに帰国して、ちょっとノスタルジックにしてて、
家探しの続きで家の見学をしたり、どちらにしようと悩みに悩んでそれから悩んで、、


ついにお家が決まった、今は引越しの準備をしている。
ものは本当によく増える。必要なものは少ないけれど、思い出のものがたくさんあって、
だからつまり、それらにさようならできないでいるから、だからいっこうに進まない。


こうして、隣の部屋から子供たちのにぎやかな声がする事もなくなると思うと、
窓からの裏庭の景色がもう見られなくなると思うと、
近くのパン屋にいかなることとか、
あのアトリエにもう私物がないこととか、


引越しってこういう事なんだとおもう。
日常がここから遠ざかること。
そうして振り返って、
なのに2年間もここに住んでいたかと思うと、それはそれで不思議にも思う。


だから突然、ここに居る事を感じようとおもって、すぐ近くの森を自転車で走った。
2年も居たくせに、一度も森を遠くまで行った事がなくて、
ちょっと錆び付いた自転車を気にしながら。


私がここに居なくなるというのに、
森はそんなこと気にかけてもくれない。


わたしはわたしの視野に入るちいさな空間でしか存在しない。
でも、前に進めば視界はひらける。
と同時に後方は遠ざかって見えなくなる。


だからいま、この目の前に起きている事が、
わたしの生きている空間で、
そこでの出来事がわたしのリアル。


これがその、ちょっとした引越哲学ってやつか。